逆二乗公理群の次元解析についての考察

I.魔術によって引き起こされる力は、力の発生点からの距離の二乗に反比例する
II.魔術によって引き出せる力の最大値は、任意のの魔術体系の規則に含まれる情報量の二乗に反比例する
III.上二つの法則は、魔術体系の規則に含まれる情報量と距離の積に反比例した割合でそれに従わない。
(F:力、r:距離、i:任意の魔術体系の情報量、k:比例定数)


I.F'=k/r^2
II.|F'|=k/i^2
III.F'-k/ri≦F≦F'+k/ri


これらの公理から、
【魔】とはi=0、
【理】とはi=∞
の状態であると定義できる。
kはkyragi定数と呼ばれ、あらゆる魔術体系の基礎となる定数である。


※FとF'はベクトル量、|F'|はスカラー量で定義される。
従ってrはベクトル量、iはスカラー量となる。rのベクトル量は、空間の魔力伝導率が一様でない事から生じる。

逆二乗公理群-魔術の体系マニュアル

kが定数、rがベクトル量(1階テンソル)と書かれているが、1/r^2がベクトルならば1/rはスピノル(1/2階テンソル)となる。更に第三則はベクトルとスピノルが混在し式左右の単位の次元に不整合が生じる。


この問題には三通りの解釈があり、
1.rもスカラー量であり比例定数kは単位ベクトルを要素に含む
2.Fは複数のテンソル量を同時に持つことができる
3.より精密な実験により係数の修正が可能である


1.はスピノルがテンソル量の基本単位であるとする主流派の唱える「スピノル一元論」、
2.は式の左右の次元は必ずしも同じである必要は無いと考える過激派の唱える「テンソル連続体仮説」。
3.については、逆二乗公理群は古文書の復元によって発見され、また公理群の性質上実験による再現が難しく「公理」扱いされているという事情を踏まえたもので、「逆二乗公理群はより上位の公理によって表現可能な一定理である」と主張する神学派が公理群の不完全性を強調するために唱えることから「定理説」と呼ぶ。