2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

オマモリサマと僕

波の音が聞こえたような気がして目が覚めた。目の前には赤い顔をした小豆洗いがいて、波の音はそいつのせいだった。僕が寝ぼけ眼で見やると、小豆洗いは黙って、ペタペタと足音を立てて別の車両に行ってしまった。「やっと起きたな」オマモリサマが微笑む。…

hyperloreスターターパック「魔王城地下ダンジョン」

概要 魔王城の地下には4880階層からなる超絶弩級ダンジョンが存在します。皆で頑張ってダンジョンを攻略しましょう。 魔王ヴァレリアンヌ こいつ hyperloreの言い出しっぺです 役立たずです ときどき地下ダンジョンに挑みますが、7階くらいでゾンビに負けて…

鴨川ハンニバルの所業、大いに食べ且つ飲むの事

町外れの廃工場──夕焼けの赤々とした光が、訪れる人とて絶えた廃墟に降り注いでいた。幾年の月日のうちに壁は破れ、蔦草の這うコンクリートの地面はかろうじて昔年の面影を伝える。廃墟というよりは遺構といったほうがいいだろうか。 その廃墟の正面に今、一…

メモ

参加者や閲覧者が気軽に書けるチラシの裏的な場所が必要だなーと思ってるんですが、ブログ内にメモ帳用エントリを用意しても書きづらそうだというところで、どうしたものかと考え中。Twitter利用者限定で恐縮ですが、こんなのもあるのでご利用ください。 Twi…

リル宮ルル子の無残な予後について

回答2: リル宮ルル子の保護は認められません。 質問3: それはなぜか。彼女の状態は、決して健常とはいえないと思うが。 回答3: 彼女の物語は既に完結しています。通常、エンディングを迎えた物語のその後については、当局の関知するところではありません。 …

リル宮ルル子のその後

「りるるるるるる……りるるるるるるる」 携帯電話の着信音でもない。鈴虫の音でもない。そもそも今は冬だ。 それはリル宮ルル子の、音の形をした”電波”だ。リル宮ルル子の発信する”電波”は、ルル子の母校の屋上から、冬の冷たい空気の上を滑るようにして人の…

虚構のライセンス

「おめでとうございます。ゴールドライセンス昇格です」 「……どうも」 創作内死者数が、テレビのニュースで放送されるようになって、どれくらいたつのか。妻と母が、テレビのその数字を見ながら、眉をしかめて、痛ましそうな顔をするのをみて愕然とした。 「…

警察を考える

フィクション・パトロール起源 - ハイパー・ロアー・プロトコル 他の方のタグ(虚構警察)って自分で付けて良いんですかね?*1 ひとまずは筆者タグのみ付けておきます。 09/09/22: タグつけました 逃亡作家 その「虚構警察」を名乗る集団は物語ならば自在に…

臓物喰子ちゃん

臓物喰子ちゃんは臓物が大好物だ。何の臓物かって? そいつは言えないなあ……。 臓物喰子ちゃんはあるとき空から降ってきた。目撃者によれば触手が百本で単眼の怪物とも、鵺のような姿をしていたとも言われている。でも正しい世界認知の者にとっては彼女は五…

断片

そして見よ! 天地何千に使徒は覆われ、誉れ高き其れらが夜伽を統べる。おお、シューベルとはエルノーしか。其、だらぐまれて、耳鳴りの多きは破官にもよべよべぬ。その散らしは平死の権化、友の仲人にエルノー等しし。かべませよ、かべませよ、春の木枯らし…

メイド.txt

http://homepage2.nifty.com/dicek/plotmake/plotmaking.html 過去:信頼 現在:変化 近い未来:節度 援助者:解放 敵対者:調和 結末:至誠・逆 子どもの頃に雇われたメイドは長年懸命に奉公に励み、御館様からの信頼を得ていた。 しかし今、彼女にはある心…

連絡先とか

運営者であるErlkonigからのアナウンスがだいぶ不足気味かと思うので、質問・文句等あればここにでもどうぞ (この土日にルール整備とかできればよかったんですが、ちょっと用事があって全くWeb活動してませんでした) リアルタイムで直接話した方がいいかなと…

紀津河足

紀津 河足 無限の書を観察していたあなたは、やがてあることに気づく。書には目立って登場する地名が二つあり、ひとつは紀津市、ひとつは河足市という。一方は関西であり、一方は関東である。両者は明らかに異なる土地であるが、同時にどこか似通ったところ…

紀塔ヶ池原遺物

"紀塔ヶ池原"とは紀津に住をなす一家系の姓であり、この字にて"きとかちわら"と読む。紀塔ヶ池原姓が公称されるようになったのは明治初期。明治3年の平民苗字許可令において、当時の家長・紀塔ヶ池原復槍*1が届け出てからである。由来については判然とせず、…

名越堤防 人柱祠

昭和十一年九月十六日(水曜日)河足新報 台風通過の河足地方あわや大惨事 名越堤防決壊す 十三日台風通過に見舞われた河足市東舟木にて名越堤防に不穏な亀裂発見さる。付近住民があらかたの避難を終えたのち地鳴動しじりじりと決壊。現場は名越第二橋右岸起…

プレストーリー:ガッデム構造体

ガッデム構造体。そのあまりのガッデムぶりに、それを目にした者はことごとく「ガッデ〜ム」と声を漏らすという。「はいはい書記官殿はおかしなモノローグを入れんでください」 年齢詐称の魔王がマジックペンで白板をキュッキュする。そこは太書きの赤文字で…

索引対索引

マスター - ハイパー・ロアー・プロトコルを見て考えた事のメモ。ある索引から別索引に介入したりされたりという抗争、もとい構想。ひとまずアイディア出しという事で。 壮大なる楽屋落ち TRPGで良くある複数の神様が存在する世界観 同じファンタジー世界の…

著作権とか

Erlkonig みんなで作る黒歴史ノート アイデアは著作権の保護対象ではない、と書きましたが、キャラクターの場合はまた別の問題となってきます 法的に明文化されているところではないので、解釈は分かれるようですが、それだけ扱いづらい領域ということです …

腐り豆

其の匣には、豆腐がみつしりと詰まつてゐた。 メモ アウト……かな コメント(Erlkonig) 問題提起ありがとうございます(っていう話ですよね?) いちおうCCを採用してますが、そもそもアイデアは著作物に含まれないという話もあり線引きは困難を極めるので、元ネ…

マスター

前から曖昧に蓄積しているイメージを何となく言葉にしてみます。 マスター 参加者は、任意の世界体系(ワールド)のマスターになれます ワールドマスターです。かっこいいです マスターは、設定体系のまとめエントリ(インデックス)を作ります 自分や他人の書い…

河足八幡神社

祭神 誉田別命(応神天皇)、足仲彦命(仲哀天皇)、気長足姫命(神功皇后)、河足姫命 由緒 古くは河足姫命を主祭神に信仰を集めた。天皇行幸の際、土地の神である河足姫命の助力を得てこの地の御行を速やかに叶えたとされ、その働きを称えて創祀に至ったと…

物語家

物語家に憧れていた。他のどんな職業より、楽そうだったから。想像することが好きだったから、それで暮らしていけるのは素晴らしいことに思えた。 小説家、漫画家、映画監督、演出家、音楽家、詩人……そういう自分の世界を持った人達が、物語を創り、世界を創…

寝つけない夜の散歩

真夜中にふと目が覚めて、そのまま寝つけなくて、私はのろのろと布団から這い出した。こんなときによくするように、黒ずくめの服に着替えて、夜の散歩に出かける。 辺りを見渡しながら歩いて、夜の深いところを探す。日によって違うから、見つけるのにけっこ…

頭と右手と考え事

「頭と右手か…」 ネットにある創作小説を読み終わり、僕は仰向けにベッドに転がる。時刻は早朝。外はまだまっくらで、カーテンの向こうには、未だ朝の気配はない。小説の内容を簡潔に述べると、なぜか頭と右手しか存在しない"わたし"が、彼女と一緒に時間を…

本当は恐い中世史

昔々そのまた昔、遠い土地の長い長いお話。泣く子の口を轡で塞ぐおとぎ話。 ダークファンタジーというやつですね。 魔女狩り 魔女狩り以前の無害な少数者 彼らは何処へ行ったか? まじない、薬草、森に住む知恵袋 異教徒? 精霊信仰? 「自白」で作られる魔…

円環ページ

チルチルとミチルは探していた、青い鳥を。 しかしそれは縫い目のないシャツを作ることに似ていると既に理解してもいた。 いくつもの国を巡り、探し続けた。 そしていつもそれは見つからなかった。 最後の国を後にすると、彼らは家路につく。 帰ろうとする。…

河足市略史(抜粋)

地名の由来:「河足(かたり)」という地名は、古代よりこの地に栄えた豪族の名に由来するとされています。「河足風土記」に「なこし(現・河足市名越)のおくつきにかたりのものおほくあり」という記述であらわれたのが最初で、景行天皇の御世、名越川の氾…

運営メモ

適当にぱらぱらと。 想像以上に早く人が集まったので、ちょっと驚いてます。よいことです 細かいルール等は人が集まるのを待ちながらのんびり整備しようと思っていたのですが、キモのところだけでもはっきりさせようと思います システム試案 上記試案の、「…

フィクション・パトロール起源

比喩でなく、物語が現実と同じくらいの強度を持ちうる時代。 仮想現実は、血と肉に加えて心まで作りだすことが可能になった時点で仮想が脱却し、ただの現実となった。この世界では、物語(文字もしくは絵によって表現された世界)は『システム』によって、も…

カーブミラー

こつこつと誰かが指で叩くような音に窓を見ると、たしかに親指ほどの大きさの蛾が、部屋の明かりに誘われて何度も体をぶつけていた。これは「走光性」という習性に基づくもので、本来蛾は月や星の明るさを指標に飛ぶのだが、人間の作り出した人工の明かりに…