百鬼夜行

信吾とサチとおじいちゃんとおばあちゃんの断片

信吾は、2列目の4人掛けシートの窓際に座り、真っ暗のはずの外を見ている祖父を見つけた。「じいちゃん!」 「おお、信吾、サチまで。お前たち、一体どうして」 祖父は、孫達の必死な顔を見て、驚いた顔をした。「爺ちゃんを追ってきたに決まってるだろ!」 …

オマモリサマと僕

波の音が聞こえたような気がして目が覚めた。目の前には赤い顔をした小豆洗いがいて、波の音はそいつのせいだった。僕が寝ぼけ眼で見やると、小豆洗いは黙って、ペタペタと足音を立てて別の車両に行ってしまった。「やっと起きたな」オマモリサマが微笑む。…