聖杯探求

  • この宇宙に属する全てのものはある同一の属性を持っており、それがあるからこそ全宇宙規模で「今ここ」で未来が生成される。つまりこの宇宙に属するものには常に未来が上書きされているわけで、ある対象の属性情報を書き換えることによって、時間生成の流れを離れ、それを過去や別の宇宙へ移動させることができる。
  • 戻ってくるためには元の宇宙の正確な属性情報を持つ物質*1が必要だが、通常、ある宇宙の物質は情報を保持したまま別の宇宙に持ちこむことができない。移動させる対象の情報を書き換えた時点で行ったきりになる。
  • 行った先の宇宙からどうにかして元の宇宙に戻るために、どこかに存在すると噂される元の宇宙の物質を探すことになる。もし物質を見つけることができたら、それを頼りに元の宇宙に戻ることができる。
  • しかし、ある宇宙において、別の宇宙の属性情報を保持する「不可能な物質」とは?


ミンコフスキー時空に破れが生じ、物語が現実に直接影響するハイパーロア宇宙では

  • 情報は物質を離れて存在できる
  • 有限の物質に無限の情報を付与することができる
  • 宇宙属性情報が同時に更新されるため同一宇宙上の物質の時間の流れが一様
  • 宇宙間での物質伝達は可能だが情報伝達は不可能である。宇宙属性情報もその例に漏れない


宇宙船(属性情報書換え装置)は宇宙属性情報を通常のありかたで物質上に持たず、物質上に物質の一部として暗号化された形で存在する。このようにして様々な情報をマスキングすることで宇宙間移動による情報散逸を防ぐことができる。復号鍵もまた情報を保持しないために一切の情報を排した、又は情報を偽装した物質の形をしている。宇宙間移動においてはこのような鍵を聖杯と呼ぶ。元宇宙に帰還するには聖杯を発見し、さらにそれが復号鍵であると認識する必要があり、その一連の過程は聖杯探求と呼ばれる。

*1:宇宙の座標ともいえるこの情報は物質においてもっとも安定する。(データに直すと無限に大きい。)原子一個でもなんでもOK。