11月4日への扉 2章の概要

――ループから戻ってきて暫く後の世界
主人公は狭いマンションの部屋で座った目で虚空を見つめている。室内には酒と煙草の据えた匂いが充満している。(1章の頃より荒んだ描写)
場所モデルは北区赤羽。
結局、家族は戻ってこず、また過去が改変されて独身のままである。
さらには事件(過去に戻って何度もループしたこと)の後遺症で外に出れない。(平気で人を殺してしまいそうな恐怖、事実そうしそうになった体験も書いておく)結局、仕事も辞め、財団からもらった報酬で酒びたりの日々を過ごす主人公。

――過去の回想(現在に戻ってきた直後)
ループにいざなわれる前に通された部屋の中、やはり同じ小太りの男を前にする主人公。
すっかり混乱し、やつれた顔の主人公に「良いニュースと悪いニュースがある」と告げる。良いニュースは主人公の過去の行動の結果、「事件」は無かったことになったということだった。安堵する主人公。しかし、悪いニュースは主人公の過去の行動の結果、未来が変わり、彼の家族はいなくなったということだった。
約束が違う、と食って掛かる主人公だが、「我々は『事件』の回避の約束はしたが、そのような約束はしていない」と男は今までの態度が嘘のように冷たく言い放つ。
ループをもう一度繰り返させてもらうことを嘆願する主人公だが、「もう『箱』は使えません」と男は言い、理由を聞きなおも食い下がる主人公に「我々は慈善事業をしているわけではない」と男は切り捨てる。
黒服の男たちにつまみ出される主人公。

――再び現在
酒びたりの荒んだ日々を送る主人公の部屋のチャイムが鳴る。
ドアを開くと、初老の男と若い男の二人組。親しげに挨拶をする初老の男だが、主人公には彼が分からない。
そんな主人公の態度を見て、二人は警察手帳を出し、初老の男は主人公が過去に容疑者として関わった事件の担当刑事だと言う。その記憶が無いため、混乱する主人公。
彼の話によれば、もうすぐ彼は定年退職になり事件の担当者が事実上いなくなってしまうと言う。
「今日はその挨拶に来た」と言う彼に、主人公は事件について聞く。
彼が語った過去の事件、それは主人公がループを抜ける前に見た、あの少女の殺人事件だった。少年時代の彼は、事件の第一発見者であり、また当時、事件の重要参考人として警察から疑われていたが証拠が無かったため釈放になったのだと言う。(もっともらしい説明が必要)
自分が殺すはずだったのに、殺したわけではない少女の殺人事件に自分が関わっていたことに驚愕する主人公。
初老の男は、主人公の反応が不服だったのか
「担当者はいなくなるが、殺人事件に時効はない」
と言い捨てる。
二人がいなくなった後で、ループの結果、自分の知らないところで世界が決定的に変わってしまったことに気付き、主人公は真っ青な顔で立ちすくむ。