真夜中にふと目が覚めて、そのまま寝つけなくて、私はのろのろと布団から這い出した。こんなときによくするように、黒ずくめの服に着替えて、夜の散歩に出かける。 辺りを見渡しながら歩いて、夜の深いところを探す。日によって違うから、見つけるのにけっこ…
胡坐をかいた膝の上に抱えられている。だいぶ涼しくなってきたのでくっついていても不快じゃない。 「髪伸びてきたね」 と、わたしを膝の上にのせている彼女が言った。彼女と同じ方向、テレビの方向に向いていたわたしを、くるりと回転させて軽く持ち上げて…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。