ザリス

再起動された魔界に関する言理的側面からの説明

pixiv:http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=332737 参考:私たちの活動、すなわち書なる書の編纂について 注:この文章は降霊翻訳システムCRW&RBTによって自動筆記されたものです 時として、意識は唐突に発生する。たとえば、このように。 「私はザリス…

スペック不足(注釈つき)

注釈なし 「ザリス」*1 魔王だ。「ザリス、どうかしました? 気分悪そうですよ?」 私の気分が悪いのはいつものことだ。「私の気分はいつも悪いんや。この気持ちは誰にも邪魔させん」「さいですか」 魔王は座った。座った?*2「魔王」「はいな?」「何に座っ…

スペック不足

「ザリス」 魔王だ。「ザリス、どうかしました? 気分悪そうですよ?」 私の気分が悪いのはいつものことだ。「私の気分はいつも悪いんや。この気持ちは誰にも邪魔させん」「さいですか」 魔王は座った。座った?「魔王」「はいな?」「何に座っとるん」「え…

ザリス・ノート/2

とある平行世界の私は、何者にもなれずに死んだ気がする。この世界の私もまた何者でもない。しかし"何もかもが起こりうる"という魔界の特性ゆえに、同時に私は何者でもありうるのだ。この全能性は一見福音だが、しかしそれこそが真の恐怖ではないか。何者で…

不特定点

ザリス・ノート (断章) 私は、その時眠っていたと思う。中が空洞の腐った木の幹をへし折るような音、あるいは束ねた厚紙を引っ張って無理矢理ひっ千切るような音……しかも潤沢な湿気をたたえたような、いずれにしても生理的に不快な気配が私の意識を呼び戻し…

ザリス・ノート/1

INDEX:ザリス・ノート この城に住まいはじめてから気づいたことだが(というか、不愉快なことにそれ以前の生などないのだが)、どうやらここには日付がない。昼夜の別はあるようなので、それに合わせて睡眠をとってはいるのだが、そのサイクルをもって一日、二…

ザリス・ノート

ザリス・ノート そして不愉快なことがさらにひとつ増えた。ノートに、書いた覚えのない日記が現れている。また魔王の悪戯かと思い斧をかついで追いかけたが、頑として口を割らない。しまいには私の方が先に、斧でやつの口を割ってしまった。これでは声も話せ…

幕間とかいてまくあいと読む

誰も読めない書物らしき紙束を集めた図書館だの、宇宙のデバグ用コンソールと目される完全剛体だの、入る度に形の変わる地下迷宮だの、全く盛り上がらない残念名所にさんざん引っ張り回された挙げ句、私は魔王城の最上層らしき貧乏くさい小部屋に連れてこら…