2009-01-01から1年間の記事一覧

円環ページ

チルチルとミチルは探していた、青い鳥を。 しかしそれは縫い目のないシャツを作ることに似ていると既に理解してもいた。 いくつもの国を巡り、探し続けた。 そしていつもそれは見つからなかった。 最後の国を後にすると、彼らは家路につく。 帰ろうとする。…

河足市略史(抜粋)

地名の由来:「河足(かたり)」という地名は、古代よりこの地に栄えた豪族の名に由来するとされています。「河足風土記」に「なこし(現・河足市名越)のおくつきにかたりのものおほくあり」という記述であらわれたのが最初で、景行天皇の御世、名越川の氾…

運営メモ

適当にぱらぱらと。 想像以上に早く人が集まったので、ちょっと驚いてます。よいことです 細かいルール等は人が集まるのを待ちながらのんびり整備しようと思っていたのですが、キモのところだけでもはっきりさせようと思います システム試案 上記試案の、「…

フィクション・パトロール起源

比喩でなく、物語が現実と同じくらいの強度を持ちうる時代。 仮想現実は、血と肉に加えて心まで作りだすことが可能になった時点で仮想が脱却し、ただの現実となった。この世界では、物語(文字もしくは絵によって表現された世界)は『システム』によって、も…

カーブミラー

こつこつと誰かが指で叩くような音に窓を見ると、たしかに親指ほどの大きさの蛾が、部屋の明かりに誘われて何度も体をぶつけていた。これは「走光性」という習性に基づくもので、本来蛾は月や星の明るさを指標に飛ぶのだが、人間の作り出した人工の明かりに…

ぼくの考えた第二次豆戦争

豆腐の国にはマメドラシルという生命の樹がある。それを求め納豆の国の総統ナットラーが豆腐の国への侵攻を開始した。そんなお話。 一方味噌の国は日和見を決め込んだ。燃料資源国である味噌の国は、戦況がどうなろうとも損をすることはないのだ。 コメント …

RightNovel

「小説が世界を救うだなんて考える奴は、小説家だけだぜ。それも、とびきりいかれた奴だ」 そう君は言うけれど、僕たちはもう小説なしじゃ生きていられないんだ。歩く事も、息を吸うことも、僕らは読む事でしか味わう事はできない。 「いいか、百歩譲って、…

頭と右手に関する報告

書の解析の過程で、我々はそれら多くの記述において頻出する明らかに特異な要素を認めた。そこには頭と右手だけの娘がおり、頭と右手だけの人形がおり、頭と右手だけの死体があり、頭と右手だけの妖怪がおり、頭と右手だけの神がおり、また頭と右手だけのあ…

千物語

「百物語を目指しましょう。世界に異変が起きますように」 この部屋は私だけで完結した世界だ。白い、白い、部屋の中で、私はただ生きていた。お腹がすくことはなく、眠くなることもなく、怪我をすることもなく、歳を取ることもなく、何をするわけでもない。…

パーツ

胡坐をかいた膝の上に抱えられている。だいぶ涼しくなってきたのでくっついていても不快じゃない。 「髪伸びてきたね」 と、わたしを膝の上にのせている彼女が言った。彼女と同じ方向、テレビの方向に向いていたわたしを、くるりと回転させて軽く持ち上げて…

メモ

あるいはこんな感じで、参加者の一言メモのスペースを作るのもいいかなとか。(Erlkonig) Twitterの発言を転載したり。ちょっとめんどくさいかしら……(Erlkonig) キャラクターや世界設定だけでなく、テーマやモチーフや問題意識も二次創作的なるものと同様に共…

不完全な写像

つまり、あなたの目の前にいる私は不完全な写像なのだ。私はあなたにこの意思を伝えようとしたが、私とあなたではあまりにも認識の性質が異なりすぎた。あなたには私が思考する存在であることなど理解できないだろうし、それどころかあなたには私があらゆる…

システム試案

試案段階。 類:「何を考えるか考えよう」 履歴 「外部からの転載」の項目を追加(9/6) ハイパーロア(hyperlore) 民間伝承とか民俗学を意味する「フォークロア」をもじって、ハイパーテキストとかハイパーリンクとかの意味合いでの「ハイパー」をくっつけた感…

書なる書

ここに有限の文字列があり、それはある種の物語の体裁をなしていた。三千世界を経た庭師の娘が終末を齎す神に挑み、そして敗北するという他愛のない話である。この文字列には、それ以外にもういくつかの性質がある。この文字列は、自分自身を暗号鍵とし、そ…